Value DomainからネームサーバをAzure DNSに移動する
はじめに
私は以前からドメインはValue Domainを利用しています。
数個ドメインを所有しており、本BlogサイトのAzure Web Appsでの立ち上げに伴って、nya-n.netドメインはAzure DNSで名前解決を行っていたのですが、せっかくなので他のドメインもValue DomainからAzure DNSにネームサーバの移動を行ったので手順を記します。
DNSレコードの確認
今回は「tsuchinoko.net」という私のドメインのネームサーバをAzure DNSに変更します。
別にツチノコが好きなわけではないです。
まずは、Value Domainのコントロールパネルにログインします。
https://www.value-domain.com/login.php
左のメニューから「ドメイン」をクリック。プルダウンメニューから「ドメインの設定操作(登録済みドメイン一覧)」をクリックします。
変更できるドメインの一覧が出るので、該当ドメインの「DNS/URL」ボタンをクリックします。
現在登録されているレコード一覧を控えます。
ネームサーバをAzure DNSに変更する前にこちらの内容を先に登録していく必要があるからです。
Azure DNSのデプロイ
Azureポータルから「+リソースの作成」をクリック後、フィルタ欄に「DNS」などと入力します。
「DNSゾーン」が見つかるので、「作成」をクリックします。
サブスクリプション、リソースグループは任意のものを。「名前」欄にはValue Domainで管理されているドメイン名を入力します。
私の場合は「tsunihoko.net」ですが、同じ名前を入れてもダメですよ。
最後に「確認及び作成」をクリックします。
検証画面では「作成」をクリックします。
無事作成されました。
ネームサーバ1~4のFQDNを控えておきます。
DNSレコードの追加
作成されたAzure DNS(DNSゾーン)にValue Domainで管理しているDNSレコードを全て登録します。
「+レコードセット」をクリックして、一つひとつ登録します。
大量にある場合にはAzure CLIなどを使ってスクリプト化すると良いでしょうが、今回はそれほど多くないので全て手入力でした。
プライマリドメイン(tsuchinoko.net)に登録する場合には「名前」欄は「@」を入力します(空欄のままでも良かった気もしますが)。
TTLはお好きな単位、値でどうぞ。最後に「OK」をクリックします。
無事レコードが追加されました。
同じ手順で全てのレコードを追加登録します。
Value Domainのネームサーバ変更
再度Value Domainのコントロールパネルに戻って、左メニューから「ネームサーバーの変更」をクリック後、全てのネームサーバー1~の内容を変更します。
先に控えておいたAzure DNS(DNSゾーン)のネームサーバー1~4のFQDNを入力します。最後のピリオドは省略します。
最後に「保存する」をクリックして作業完了です。
切り替え確認
暫く待つと、whois情報が更新されました。
$ whois tsuchinoko.net
Domain Name: TSUCHINOKO.NET
Registry Domain ID: 69161481\_DOMAIN\_NET-VRSN
Registrar WHOIS Server: whois.discount-domain.com
Registrar URL: http://gmo.jp
Updated Date: 2019-07-01T23:42:38Z
Creation Date: 2001-04-12T08:21:09Z
Registry Expiry Date: 2020-04-12T08:21:12Z
Registrar: GMO Internet, Inc. d/b/a Onamae.com
Registrar IANA ID: 49
Registrar Abuse Contact Email: abuse@gmo.jp
Registrar Abuse Contact Phone: +81.337709199
Domain Status: ok https://icann.org/epp#ok
Name Server: NS1-03.AZURE-DNS.COM
Name Server: NS2-03.AZURE-DNS.NET
Name Server: NS3-03.AZURE-DNS.ORG
Name Server: NS4-03.AZURE-DNS.INFO
DNSSEC: unsigned
URL of the ICANN Whois Inaccuracy Complaint Form: https://www.icann.org/wicf/
(snip)
digコマンドを使ってGoogleのDNSサーバ経由でnsレコードを引いた所、ちゃんとAzure DNSの方を参照しています。
$ dig @8.8.8.8 tsuchinoko.net ns
; <<>> DiG 9.10.3-P4-Debian <<>> @8.8.8.8 tsuchinoko.net ns
; (1 server found)
;; global options: +cmd
;; Got answer:
;; ->>HEADER<<- opcode: QUERY, status: NOERROR, id: 1483
;; flags: qr rd ra; QUERY: 1, ANSWER: 4, AUTHORITY: 0, ADDITIONAL: 1
;; OPT PSEUDOSECTION:
; EDNS: version: 0, flags:; udp: 512
;; QUESTION SECTION:
;tsuchinoko.net. IN NS
;; ANSWER SECTION:
tsuchinoko.net. 21599 IN NS ns1-03.azure-dns.com.
tsuchinoko.net. 21599 IN NS ns2-03.azure-dns.net.
tsuchinoko.net. 21599 IN NS ns3-03.azure-dns.org.
tsuchinoko.net. 21599 IN NS ns4-03.azure-dns.info.
;; Query time: 73 msec
;; SERVER: 8.8.8.8#53(8.8.8.8)
;; WHEN: Tue Jul 02 08:51:57 JST 2019
;; MSG SIZE rcvd: 177
おわりに
Azure DNSは有料ですが、Value Domainから移動させるメリットとしてはグローバル規模で安定して名前解決が行えることと、レコード更新操作などの自動化がAzure CLI、Powershell、REST APIなどを使って実現できるところでしょうか。
有料といっても、個人レベルのサイトであればそれほど料金の心配もなさそうなので、試してみると良いです。